header header 弁護士法人エルティ総合法律事務所
トップページ > 3分間法話 > 3分間法話004

004 育児・介護休業法改正

1.ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて
 改正育児・介護休業法が、平成22年6月30日より施行されます(ただし、一部の規定は、常時100人以下の労働者を雇用する事業主については公布の日(平成21年7月1日)から3年以内の政令で定める日。)。これは、少子高齢化社会の到来を受けて、少子化の流れを止め、育児や介護をしながらも仕事を続けることができる社会を目指して、いわゆるワーク・ライフ・バランスの実現のために行われるものです。

2.短時間勤務制度等の義務化、父親の育児参加支援、看護・介護休暇制度、実効性確保のための制度創設
 改正の主な内容は、以下のとおりです。
 まず、①子育て期間中の働き方の見直しとして、3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度(1日6時間)を設けることを事業主の義務とし、労働者からの請求があったときの所定外労働の免除を制度化する、子の看護休暇制度を拡充する(小学校就学前の子が、1人であれば年5日(現行どおり)、2人以上であれば年10日へ。)などがあります。これらによって、育児休業後、子と過ごす時間を確保し、子が病気になり保育園が利用できない場合等にも対応しやすくなり、育児と仕事の両立をしやすくなることが期待されます。また、②父親も子育てができる働き方の実現として、父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月(現行1歳)までの間に1年間育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)、父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする、配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止するなどがあります。これらによって、母親が1年の育児休業後、復職して間もない大変な時期である2か月間、今度は父親が育児休業することなどで、母親の社会復帰をスムーズにする効果等が期待されます。
 さらに、③仕事と介護の両立支援としては、介護のための短期の休暇制度を創設する(要介護状態の対象家族が、1人であれば年5日、2人以上であれば年10日。)ことになりました。これにより、通院介助等のたびに有給休暇を消費する必要がなくなります。
 最後にこれらの制度の④実効性の確保のため、苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みを創設する、勧告に従わない場合の公表制度、及び報告を求めた場合に報告せず、又は虚偽の報告をした者に対する過料を創設するなどが定められました(調停については平成22年4月1日から施行、その他は平成21年9月30日から施行済)。

3.企業のとるべき対応
 これらの改正によって、多様な勤務形態が認められ、育児や介護をしながらも働き続けることのできる環境が整うことになり、これに沿う形で、企業は就業規則等を整備する必要があります。その際、たとえば、管理職のうち、労働基準法第41条第2号に定める「管理監督者」については、労働時間等に関する規定が適用除外とされていることから、所定労働時間短縮措置や所定外労働免除について、対象外となりますが、同法の解釈として、「管理監督者」とは「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきであるとされています。よって、職場で「管理職」として取り扱われている者であっても、同号の管理監督者にあたらない場合には対象となり、注意が必要です。

(弁護士藤谷護人)